天井・壁のクロス貼り
すでに「古いクロス剥がし」作業を終えたワンルームアパートに、「新しいクロス貼り」作業を行ったレポートです。
DIY好きの方には多少参考になるかも。
01.
使用する主な道具類です。
写真はあくまで主な道具類です、全てではありません。
02.
使用する材料です。
写真左が天井、右が壁です。
共に量産品(普及品)ビニールクロスです。
03.
写真は糊付機で使用する材料の両耳を落とし裏面に糊を付けて折り畳み、乾燥しないよう専用のビニール袋に詰めたものです。
04.
ビニールクロスは事前に下見で採寸した寸法を基に自宅作業場で糊付けし、現場には糊付けしたクロスを袋詰めにして持ち込みました。現場での作業時間短縮につながります。
袋詰め出来るのはビニールクロスのみです。織物クロス・紙クロス等は保存出来ません。
05.
天井から貼り始めます。
- 貼り方は、古いクロスと同じ長手3巾にします。
- 貼る順番は、中央を最初にします。
- ジョイント処理は、天井・壁共「重ね切り」ではなく「突き付け」で仕上げます。
中央から貼る理由は、手間がかかる警報機と照明電源の切り抜き処理があるからです。手間がかかる部分を先に貼ると、その後「突き付け」のジョイント処理が早く終わり全体の作業がスムーズに進むからです。
それを可能にしたのは、貼る材料がジョイントを「突き付け」処理出来るクロスだからです。
全てのビニールクロスが突きつけ処理出来る訳ではありません。
06.
天井にクロスを貼る準備です。
- 部屋中央に足場を準備。
- 糊拭き取り用スポンジをゆすぐための水バケツを準備。
- ゴミ捨て場所を準備。
- 一人で天井を貼るためのカゴ(クロスポーター)を準備。
07.
クロスポーターはこんな感じで使用します。
長さ4.5m位の天井なのでクロスポーター無しでも貼れますがこのレポートのため使用しました。
08.
クロスの貼り方は十人十色です。基本は「糊を付けて刷毛などで撫ぜ付ける」だと思いますが、今回の天井貼りは私一人なので以下の手順で行いました。
① 事前に付けた墨(直線の印)にそって曲がらないように撫ぜながら(大体でよい、正確さより短時間を重視)、クロスに警報機と照明電源の切れ目を入れ仮貼りします。(難易度が少し高い)
② 次に中央部分の1.5m位をしっかり撫ぜ付けます。(写真)
09.
中央部分を撫ぜ付けた後は墨(直線の印)を無視します。
無理に墨に合わせようとクロスにプレッシャーかけないで貼り初めと貼り終わり部分を一度剥がしてナリで貼り直します。
この貼り方は無地材料を「突き付け」で貼る場合に限られます。
③ 次に貼り始め部分(今回は1.5m位)を注意しながら剥がし、撫ぜ終った中央部分から、貼り始めに向かってナリで撫ぜ直します。
④ その次に貼り終わり部分(今回は1.5m位)も注意しながら剥がし、撫ぜ終った中央部分から貼り終わりに向かってナリで撫ぜ直します。
10.
⑤ 撫ぜ終わったら、貼り終わり・貼り始めの 廻り縁部分にヘラを入れ。
11.
⑥ 地ベラとカッターで はみ出し部分をカットします。
12.
⑦ 水を絞ったスポンジや雑巾で廻り縁についた糊を拭き取ります。
糊の拭き取り方法は雑巾とスポンジの大きく2つに分かれます。拭き残しが無ければどちらでも結構です。そのためには雑巾・スポンジ共こまめにゆすぐ事が必要です。
私はスポンジ派です、一度拭いたスポンジをゆすいで同じ場所を二度拭きます。そのために作業場所の近くに水バケツを置いています。おかげで右手の握力は強くなりました。
13.
⑧ 警報機のはみ出し部分は優しくクロスをカットします。
14.
カット後、反応して鳴らさないよう振動に注意して糊を拭き取ります。
15.
中央部分のクロスが貼り終わりました。
16.
続けて2巾目のクロスを貼ります。
左右どちらでも良いですが、私は幅の広い方を先に貼ります。
貼り終わった中央クロスの縁に沿って前述 ① ~ ④ までは同じ要領で、ジョイント部分を隙間も開かず、クロスも重なら無いように撫ぜ付けます。
(難易度が少し高い)
17.
写真では分かりづらいですが、撫ぜ付け後のジョイント部分です。
18.
続いてジョイントの処理を行います。
撫ぜ付け後、「隙間も開かず」「クロスも重なら無いように」調整しながらローラーでジョイント部分を圧着します。
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こんな感じです。
20.
全体はこんな感じ。
21.
ジョイント処理が終わったら、前述の ⑤ ~ ⑦ を行います。
2巾目が終わったら3巾目も同じように貼って天井は終わりです。(写真)
ここまでの作業はスピードが大切です。
ゆっくりやっていると糊が乾いてクロスが動かなくなってしまいます。
私は、この天井作業中は窓を閉め切り風を室内に入れないようにして乾燥を少しでも遅らせています。
22.
天井クロスはこんな感じに仕上がりました。
23.
明るいうちに照明器具(蛍光灯)を取り付けてしまいます。
照明器具は取り付けて動作確認しますが点灯はさせません、消灯しておきます。理由は熱が出るからです。
糊はまだ完全に乾いていません、気温が高くなると乾燥が早まり糊の水分で膨張しているクロスの裏紙が急激に乾燥して収縮しジョイント部分に隙間が開いてしまいます
LED照明の場合あまり熱は出ませんが私はしばらく点灯させません、暗ければ別に臨時灯をセットします。
(嫌われるタイプですね)
24.
ここで少し休憩します。
実はこの現場のオーナーさんは知人で3時だけでなく10時もお茶を出して下さいました。感謝して頂きます。
25.
一休みして元気が出たので次は玄関・ミニキッチンの天井を貼ります。
26.
ここにはダウンライト(2ヶ所)と警報機があります。
27.
貼り方は前述①~⑦と同じ、クロスポーターは狭い場所なので使用しませんでした。
28.
ダウンライトは貼替後カバーを取り付け。
29.
警報機周りの処理は前述⑧と同じ。
30.
仕上がりはこんな感じです。
31.
壁のクロス貼りに移ります。
クローゼット左の大壁から貼り始めることにしました。
クロスを貼ってゆく順番は十人十色です。
現場の状況で変わりますが、今回はレポート中心ですので解りやすく簡単な大壁部分からスタートします。
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ここで改めてジョイントの「突きつけ」処理をご説明します。
写真は、右側のクロスはすでに貼り終え、左側のクロスを壁にあてがった所です。
この後ジョイント部分に隙間が開かないようにクロスを撫ぜ付けます。
(難易度が少し高い)
33.
撫ぜ付け後「隙間も開かず」「クロスも重なら無いように」調整しながらローラーでジョイント部分を圧着します。
34.
写真の指先で示している所がジョイント部分です。
この材料は、ほとんど目立ちませんでした。
ジョイントの目立ち具合は、材料により千差万別です。程度の差がありますが、仕上がり直後は目立たなかったジョイント部分も時間の経過と共に目立ってきます。
主な原因は、施工場所の「長期の温度・湿度の変化」「紫外線などによるクロス材料の経年劣化」、と不適切な施工です。
ご理解頂きたいのは、初期の仕上がり状態を半永久的には維持出来ません。
クロスは消耗品です、建物と同じ耐用年数はありません。その代わり 新しいクロスに貼替可能です。
35.
続けます。
コンセント・スイッチ部分は写真のように処理します。
付着した糊は放置すると変色します。拭きとるか施工前にマスキングして置きましょう。
私は小さなものは拭き取り、大きなものはマスキングです。
36.
大壁が終わりました。
37.
大壁の終わり部分は写真のように処理しました。
解りにくいですが上下のサッシが壁面より10センチ位ベランダ側に奥まって(へこんで)設置されています。
大壁のクロスをサッシの際(きわ)まで貼って置きます。
38.
ベランダ側の壁面を確認します。
左上にエアコン室内機。
右側に一間巾(クロス2巾分)の掃き出し窓と天窓のサッシ。
天窓の上下に小壁が有ります。
39.
天窓上の小壁から貼ってゆきます。
普通なら2巾で中央にジョイントが入りますが、この材料は縦と横にジョイントしても目立たないので、横貼りにして1巾で貼る事にしました。
ビニールクロスはジョイントが目立ちにくいですが縦横でもOKは少ないです。
40.
大壁とのジョイントは、天窓上部分で横にします。
41.
天窓下も横貼りです。
42.
天窓上部分は横に、天窓下部分は縦にジョイントしました。
エアコン周りのクロスは切り抜きです。
43.
続いて反対側の大壁をベランダ寄りから貼って行きます。
44.
写真はチャイム本体を外さずクロスに少し大きめの切れ目を入れ、チャイムをくぐらせて貼りました。
チャイムはクロスを貼った後、本体とカバーを元に戻します。
45.
給湯器のリモコンは切り抜きました。
46.
ミニキッチンまでの大壁を貼り終わりました。
47.
さらに玄関脇の下駄箱まで貼り進みます。
この辺りは入り組んでいて手間が掛かりますが焦らず貼って行きましょう。
48.
続いてクローゼット上部分です。
49.
クローゼット扉クロスは最後にして、先に壁を終わらせます。
50.
トイレ・ユニットバス側の壁を仕上げます。
51.
分電盤周りも意外と手間が掛かります。
52.
玄関土間から見た室内です、外が暗くなってきました。
53.
最後に扉クロスです、指さしているのは左扉の縁(ふち)の一辺です。
今回は材料の耳を落として糊を付けてきているので、この一辺を決めてクロスを貼り付け、残りの三辺をカットします。僅かな時間短縮です。
54.
全て貼り終わりました。
55.
外したものを取り付け、掃除をして完成です。
今回も説明の難しさを痛感したレポートでした。
あとがき.
天井のDIYはお勧めしません。壁はご家族のご理解を頂いて・・・かな。
何れにしてもチャレンジは自己責任でお願いします。
やはりプロに任せた方が安心安全、短時間で仕上がりもキレイだと思います。
「天井・壁のクロス剥がし」を確認されたい方は下のボタンから。
ご覧頂き ありがとうございました。
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