穴部分のクロスが残っている壁穴補修
賃貸マンションを退出される方から当サイトにお問い合わせを頂き、ご依頼下さった作業のレポートです。
作業内容は退出に伴う原状復帰のため、リビング壁に空けてしまった穴の補修です。
それではレポートをスタートします。
01.
補修場所を確認します。
写真では壁穴1ヵ所に見えますが補修は上下2ヵ所です、よく見てみましょう。
02.
上部分は、穴ではなく凹みです貫通していません。
下部分は、貫通した壁穴です。
さらに、よく見てみましょう。
03.
上の凹みです。
直径4~5cm、深さ5~6ミリの凹みで、表面のビニールクロスは丸くちぎれていますが残っていました。
貫通してクロスが残っていないと補修する材料が必要なので助かりました。
04.
下の壁穴です。
直径4~5cmで、表面のクロスは細かくちぎれていますがチェックすると全て残っていました。ラッキーです。
上下とも小さな部分補修なので、新しい材料を使わずに補修できればキレイに仕上げることが出来ます。
05.
それでは作業を始めます。
最初に下地の石膏ボードを平らに近く補修します。
上の凹み部分はパテ処理で済まそうか迷いました。
結果、凹みが5~6ミリと少し深いのでパテの乾燥に時間がかかると考え、下と繋げて一つの穴にした後、石膏ボードとパテで補修することにしました。
下準備として必要な箇所にカッターを入れ、上の凹みと下の穴より少し大きく表面のクロスをめくって固定します。(写真)
この時、細かくちぎれている部分は注意して剥がした後、無くさないように保管します。
写真を見ると内臓の手術みたいですね。
06.
下準備の後、補修用石膏ボードの切り出しと、それに合わせた壁穴を空けます。
手順を説明します。
- 回し引き(先の細いノコギリ)でカットして上部分と下部分を繋げ穴の裏側を確認します(写真左)。
中心に輝いて見えるのは壁を支えている部材(柱部分)ですが鉄筋コンクリートのマンションなので金属製です。 - 石膏ボード裏面の傷み具合を確認して、補修が必要な大体のカット位置に印を付けます。(写真右)
07.
- 壁につけた印を基に補修用の石膏ボードを長方形にカットして上下の分かる〇印を付け、壁に付けた印に合わせます。(写真左)
- カットした石膏ボード外周に沿って線を引きます。(写真右)
08.
- その線に沿って今回はカッターで穴をあけます。
- 直線のカットですので定規を使ってもいいし、真っすぐ切れる自信があれば回し引きでも構いません。
これで補修用石膏ボードの切り出しと、それに合わせた穴あけ作業は終わりです。
09.
次に穴の裏側上下に、別にカットした石膏ボードの「押さえ」を取り付けます
この写真と次の写真を参考にして下さい。
10.
写真のように「押さえ」をビスとボンドで取り付けます。
11.
「押さえ」取り付け後、最初にカットした補修用石膏ボードをビスとボンドで固定します。(写真左)
続いて石膏ボードのジョイント部分と固定しているビス部分を下パテ処理します。
パテは「下塗用パテ」と「仕上げ用パテ」2種類を使用します。
パテ処理作業は、下塗りパテを乾かしてサンドペーパーで平らに近く削り、仕上げパテを乾かしてクロスを貼ります。
下地の石膏ボード補修が完了しました。(写真右)
石膏ボードの壁穴補修は「最初のレポート」06~25で詳しく説明しました。下のボタンから。
12.
下地の石膏ボード補修に続いて
めくっておいたクロスの貼り付け作業です。
パテが完全に乾いたら石膏ボード下地のパテ面と、めくったクロスの裏面に刷毛で糊を付けます。
糊は、めくったクロスの剥がし際まで付けましょう。
13.
写真のように樹脂製のスキジーで、めくったクロスの剥がし際から中央に向かって糊を押し出しながら圧着して行きます。
ちぎれた部分のクロスも元に戻します。
はみ出した糊は、水を絞ったスポンジかウエスで拭き取ります。
スキジーは、中にたまった糊や空気を押し出す樹脂製の板。強く圧着したい時の撫ぜブラシの代用品。
14.
最後に気になるところをローラー等で調整して完成です。
今回は写真のように仕上がりました。
15.
よく見てみましょう。
写真では補修部分が分かりませんね。しかし、残念ですが作業した私には分かってしまうんです。自分で作業した補修には100点は無い気がします。
補修が終わった時点ではキレイでも、1年、2年と時間が経過すると少しずつ補修部分は目立ってきます。
クロスは消耗品であることをご理解ください。
あとがき.
冒頭で “ 賃貸マンションを退出される方から当サイトにお問い合わせを頂き・・・ ”
と書きました。
この依頼主からは数年後、転居先のマンションの補修工事をリピートして頂きました。
重ねてお礼申し上げます。
ご依頼ありがとうございました。
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